パパベアはぼくのスーパーヒーロー

パパベアはぼくのスーパーヒーロー

著者
authorGiggle Academy

奉仕し、人々を守る人々をたたえる心温まる物語。マントではなく、静かな強さ、泥だらけの足、そして英雄的な愛を携えて森の奥深くから帰ってくるお父さんグマの姿を、子グマの視点から描きます。

age4 - 8 歳
emotional intelligence
ストーリーの詳細

むかしむかし、パパベアはおうちをでていきました。 こぐまは「どこへいったの?」とききました。 ママベアはにっこりわらって、「もりのふかいところへいったのよ」とこたえました。

「どうぶつたちのけんかをやめさせるてつだいをしているの」とママはいいました。 「つよくて、ゆうかんで、やさしいの。 ほんとうのスーパーヒーローなのよ」

それからというもの、こぐまはもりのようちえんでみんなにいいふらしました。 「ぼくのパパは、きのうえをとんで、おひるごはんにはかみなりぐもをたべるんだ!」 「ぼくのパパは、ふくろうのはねでできたマントをきてるんだ!」

まいにち、こぐまはあたらしいおはなしをしました。 「ぼくのパパは、さるさんととらさんをあくしゅさせたんだ!」 「もりをすくいおわったら、かえってくるんだ!」

そしてあるしずかなごご、げんかんのドアがぎいっとひらきました。 パパベアがかえってきたのです。 パパはにっこりわらって、りょううでをひろげました。

パパはふるいしゃしんとまったくおなじジャケットをきていました。 ひじにはつぎあてがあり、ジッパーはまがっていました。 マントも、いなずまブーツもありません。ただのパパでした。

こぐまはしゃしんをみて、それからパパをみました。 くびをかしげて、ささやきました。 「バットベアじゃない。スーパーファーでもない」

パパベアはくちをひらきましたが、 またとじました。 そして、こぐまのあたまをやさしくなでました。

そのよる、かぜがまどからうなりごえをあげてふきこみました。 いなずまがひかり、もりがゆれました。 こぐまはベッドのなかでまるくなり、めがさえていました。

りすのぬいぐるみをぎゅっとだきしめて、ささやきました。 「スーパーヒーローのパパには…ゆめのなかであえるかも」。 あめがやねをそっとたたいていました。

つぎのあさ、そらははれていました。 ママベアはふたりにブルーベリーをつみにいってほしいとたのみました。 「ぼくがかごをもつよ」とこぐまはいいました。

「わたしはジョークをもっていくよ」とパパベアはいいました。 そうしてふたりは、いっしょにでかけました。 ちいさなあしと、おおきなあしで。

ベリーばたけのすぐさきで――ぐちゃっ! こぐまのあしが、ねばねばしたふかいどろのなかにしずみました。 こぐまはよろよろして、「しのおぬまだ!」とさけびました。

パパベアはこぐまをさっとすくいあげました。 「スーパーベア…ファーストジャンプ!」 ふたりはどろだらけのひとっとびで、みずたまりをとびこえました。

やすむまもなく――とげだらけのつるがみちをふさいでいました。 「とげとげヘビだ!」とこぐまはさけびました。 パパベアはくるりとまわって、「セカンドジャンプ!」――ふたりはくるくるとまわってとびこえました。

つぎにあらわれたのは、おおきくよこたわる、たおれたまるたです。 パパベアはスピードをおとしません。 「ファイナルジャンプ!」とほえて――くうちゅうへとびあがりました。

ふたりはまいあがり、ちゅうがえりをして、まつぼっくりのやまのなかにふじちゃくしました。 どろだらけ、はっぱだらけ、くすくすわらいながら、ブルーベリーのしるまみれで―― ふたりはおうちにかえりました。

そのよる、こぐまはもうふにもぐりこみました。 パパをみあげて、ささやきました。 「バットベアじゃない。スーパーファーでもない」

「でもきょう、パパはしのおぬまをとびこえて、 とげとげヘビをくるりとかわして、 おおきなまるたをとんでいったよ」

「どろだらけで、すりきずだらけで、でもゆうかんだ。 それに、ちゃんとベリーももってかえってきた」 「パパはぼくのスーパーヒーローだよ」

パパベアはこぐまのはなにキスをしました。 「いつだってね」とパパはいいました。 そして、よるはしずかで、あたたかでした。

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